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アジレント・テクノロジー、分析性能と操作性を向上させた世界最小、最軽量の次世代誘導結合プラズマ質量分析装置を発表

 

 

Agilent 7700シリーズICP-MS

2009年6月26日

 アジレント・テクノロジー株式会社(社長:海老原 稔、本社:東京都八王子市高倉町9番1号)は、誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP-MS)の新製品「Agilent 7700シリーズICP-MS」を発表、7月1日から販売を開始します。出荷開始は2009年8月半ばを予定しています。この製品は、本社・八王子事業所内の化学分析事業部で開発したもので、アジレントの販売網を通じて全世界で販売します。

 ICP-MS装置は、分析試料をプラズマ中で分解し、試料中に含まれる各種の金属元素の濃度を測定する分析装置で、原子吸光やICP発光分析といった手法に比べ、高感度の分析が可能です。多種の元素を迅速に、低濃度まで定量できるため、水(水道水、環境水)、土壌、食品、材料および血液、毛髪といった生体の分析に用いられています。特に環境分析では、世界各国の規制や条例の多くでICP-MSによる分析が規定されています。また昨今では超高純度の材料、試薬が要求される半導体関連企業の研究開発、製造プロセスにおいても標準的な金属元素分析装置として使用されています。

 今回発表の「Agilent 7700シリーズICP-MS」は、汎用分析用の「Agilent 7700x」と半導体関連市場向けの「Agilent 7700s」の2機種を用意しています。「Agilent 7500シリーズICP-MS」の後継機で、分析性能と操作性の向上を目標に開発しました。当社では、ユーザによる調整の手間を大きく低減し、効率的かつ快適なデータ解析環境を提供することで、ICP-MSが一部の専門的な研究者のための装置から、広く一般に使われる分析装置となっていくことを期待しています。

 「Agilent 7700シリーズICP-MS」の主な特長は以下のとおりです。

主な特長
*独自開発のヘリウムコリジョンセル:
ICP-MSにおける大きな問題の一つは妨害イオンによる検出能力の低下です。「Agilent 7700シリーズICP-MS」は、ヘリウムガスによる妨害イオン排除能力をさらに向上させた新しいコリジョンセルORS3(第三世代のオクタポールリアクションシステム)を搭載しました。ORS3により、これまでコリジョンセルのガスに水素を使わなければ高感度分析が困難であった鉄やセレンの分析をヘリウムガスによるコリジョンでも可能にし、より安全かつ安定した分析を高感度で実現しました。このヘリウムコリジョンセルは当社独自の手法であり、反応性の高いガス(水素など)による化学反応を利用する従来のコリジョンセルに対し、分子イオンによるすべてのスペクトル干渉に効果があるのが最大の特長です。このため、サンプルの種類に依存したメソッドの開発、複雑な設定の必要がなく、すべてのユーザが簡単に最高レベルの検出限界を得ることができます。また、ヘリウムコリジョンセルの他にも、従来同様に水素ガス、アンモニアガスといった反応性ガスによるコリジョンも使用できるので、究極の検出限界が必要とされる半導体試料の分析にも対応します。

*条件設定の簡素化と優れた操作性:
一般にICP-MSではチューニング(条件設定)の操作が難しいと言われています。「Agilent 7700シリーズICP-MS」はプリセットプラズマとエクスパートオートチューンの採用でチューニングの複雑さを解消しました。プリセットプラズマは、ワンクリックで最適なプラズマ条件設定を自動的に行う機能です。エクスパートオートチューンは新たに開発したイオンレンズの自動調節機能で、約3分以内で確実に最適レンズ電圧を自動設定できます。プリセットプラズマとエクスパートオートチューンにより、迅速かつ一貫性のある装置操作が可能となりました。
 さらに採取された分析データの解析には、これまでGC/MS(ガスクロマトグラフ質量分析装置)やLC/MS(液体クロマトグラフ質量分析装置)で定評のあるMassHunterワークステーションソフトウェアを採用しました。MassHunterワークステーションソフトウェアはデータ解析作業を効率的に行うための多くの特長を備えています。進行中の分析バッチに含まれる各試料の分析結果は検量線と同画面にリアルタイムで表示されます。また、品質管理試料の分析結果の変動や標準元素の信号変動なども各試料の分析結果とともにリアルタイムで表示することが可能です。さらに、各種の品質管理目標値をユーザが設定することができ、目標値を外れた分析値に対し注意フラグを自動表示させることができます。一般的な表計算ソフトへ簡単に結果をエクスポートできること、自由度の高いレポートテンプレートが準備されていることなど、ユーザのレポート作成を支援する機能も搭載しています。

*新しいハードウェアによる性能向上:
汎用分析用途の「Agilent 7700x」向けに、感度を従来製品の2倍に向上させたイオンレンズを新たに開発しました。このレンズは特にロバストプラズマと呼ばれる高温のプラズマ条件でも高感度となるように工夫されています。また、「Agilent 7700」のプラズマ生成装置には、従来の機械的にインピーダンスのバランスを調整する方式ではなく、新開発の周波数可変を利用する全く新しい回路を搭載しました。これによってプラズマの安定性が向上するとともに、ICP-MSの小型化が可能となりました。この新たなプラズマ生成装置の採用によって、従来困難であった蒸気圧の高い有機溶媒や石油関連試料の分析に威力を発揮します。

*世界最小、最軽量のICP-MS:
上記の新しい技術を、世界最小、最軽量(*1)のICP-MSとして実現しました。従来品と比較して幅が110㎝(センチメートル)から73㎝に、重量は175 kg(キログラム)から115 kgと大幅に小型軽量化。設置面積および質量で30 %以上小型化しました。

販売方針
*目標市場:環境分析(大気、排出ガス、土壌、排水・下水、産業廃棄物、海洋汚染物質)や上水試験法における金属分析、半導体分野における微量金属分析や高純度マテリアルの品質管理向け
*販売価格(発表日時点での税込参考価格です):
・7700x本体、オートサンプラ、MassHunterソフトウェアをインストールしたワークステーション一式で2,489万円から
・7700s本体、オートサンプラ、導入キット、MassHunterソフトウェアをインストールしたワークステーション一式で2,940万円から
*販売開始日: 2009年7月1日
*出荷開始予定時期:2009年8月半ば

 

*1 ICP-MSとして(2009年6月広報発表時点。当社調べ)


アジレント・テクノロジーについて

アジレント・テクノロジー(NYSE:A)は、コミュニケーション、エレクトロニクス、ライフサイエンス、化学分析市場における世界のプレミア・メジャメント・カンパニーであり、またテクノロジー・リーダーでもあります。19,000名の従業員を擁し、110カ国以上でビジネスを展開しています。アジレントは、2008年度、58億ドルの売上高を達成しました。アジレント・テクノロジーの情報は、以下のウェブサイトでご覧ください。
http://www.agilent.co.jp

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