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アジレントが、研究者の関心のある部分のみを解析可能にすることで、次世代DNAシーケンシングの高効率化を実現するシステムを発表

 

 

Agilent SureSelect Target Enrichment System

2009年3月31日

 アジレント・テクノロジー株式会社(社長:海老原 稔、本社:東京都八王子市高倉町9番1号)は、研究者が興味のあるゲノム領域のみを次世代シーケンシング装置を用いて解析することで、解析効率を大幅に高めることができるターゲットDNA濃縮キット「Agilent SureSelect Target Enrichment System(シュアセレクト・ターゲット・エンリッチメント・システム)」を発表、4月1日より販売を開始します。出荷開始は2009年5月を予定しています。

 今回発表の「Agilent SureSelect Target Enrichment System」は、当初、イルミナ(Illumina)社のGenome Analyzerシステムに対応します。今後、ライフテクノロジーズ(Life Technologies)社のSOLiDシステムに最適化した製品も市場投入していきます。

 アジレントのライフサイエンスソリューションズ・ユニット担当副社長兼ジェネラルマネージャで、博士でもあるNick Roelofs(ニック・レロフス)は次のように語っています。
「近年の次世代シーケンサの驚くべき進歩は全ゲノム配列決定のコストを劇的に押し下げました。一方当社は、巨大なゲノムの一部だけを取り出し、研究者が最も関心を示している領域のみに焦点を当てることで次世代シーケンシング技術の効率を大幅に高める前工程処理法の開発に成功しました。この新しい前工程処理法(ターゲット・エンリッチメント・システム)と次世代シーケンサを組み合わせることで、今後のゲノム研究において、より少ない研究リソースでより多くの試料の解析を行うことが可能になります。」

 「ターゲット・エンリッチメント」は、研究者がゲノムの特定領域の塩基配列(翻訳領域等)のみに関心がある場合に有用な技術です。「ターゲット・リシケーシング」、「ゲノム・パーティショニング」、「DNAキャプチャ」とも呼ばれています。ターゲット・エンリッチメントを行う場合、「Agilent SureSelect Target Enrichment System」を使用すれば、特定のエクソン領域や解析しようとするゲノムの特定領域を高効率に捕捉し、シーケンシングに先立ちその他の不要なゲノム領域を洗い流してしまうことができます。このプラットフォームは、多くの次世代DNAシーケンス解析において大きなボトルネックとなっている、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)を使用したターゲット・リシーケンシング法のような多大な労力と費用のかかる方法に取って代わります。
 
  この製品の初期ユーザであるウェルカムトラスト・サンガー研究所(Wellcome Trust Sanger Institute) シーケンシング技術開発部長のダニエル・ターナー(Daniel Turner)氏は次のように語っています。
「私たちは、アジレントのSureSelect Target Enrichment Systemの効果に大変驚いています。この製品には他の類似の製品とは異なる重要ないくつかの特長があります。1つめは、実験操作が極めて簡単で、96穴ウェルプレートを使用したハイスループット実験へのスケールアップに対応できることです。また、実験に必要なゲノムDNAの量がオンアレイやPCRを用いる手法と比べてはるかに少なくて済みます。また、高効率にDNAを濃縮できるという特長があります。実際、ターゲット・エンリッチメントに必要とされるゲノムDNAの量は他のプラットフォームで必要とされる量の約10分の1で、これまで貴重な試料を十分に確保するまで不可能であった実験が可能となりました。」

 別の初期ユーザであるScripps社ゲノム医薬部門ゲノム生物学担当取締役ケリー・フレイザ(Kelly Frazer)博士は次のように語っています。
「当社が経験した限り、アジレントのSureSelect Target Enrichment Systemは、正常な老化プロセスを研究するために私たちが狙ったゲノム領域を見事にエンリッチしていました。得られたシーケンス・データは、ターゲット領域全体にわたり均一性の高い優れたカバー率を示していました。」

 当社の先端ゲノミクスアプリケーション担当プロダクトマネージャで博士でもあるフレッド・エルナニ(Fred Ernani)は次のように語っています。
  「当社のシステムでは長鎖のRNAオリゴを用いるだけでなく、オリゴ設計のアルゴリズムを最適化しています。その結果、均一なカバー率を実現し、他のターゲット・エンリッチメント法において問題となるシーケンス・バイアスを抑えています。」

 最初に発売する製品は、ユーザ希望の領域に応じて製作し、ビオチン化したRNAプローブ(最大55,000種類)を一本のチューブに入れた、そのまま使用可能なキットです。キャプチャ用のプローブは120塩基の長さで、市場において現在提供されている製品の中で最長となっています。長いプローブを使用しているので、一塩基多型、挿入や欠出など、事前に予測のできない変異を含んでいるDNAでも効率良くキャプチャできます。SureSelectキットは10試料分から250試料分までさまざまなパッケージで提供します。従来のこの用途向けの製品と比べて自動化によるハイスループットワークフローにも最適です。

 また、当社のカスタムマイクロアレイ設計ツールである「eArray」を使用して、ユーザ自身で希望の領域を対象としたSureSelectプローブを設計することができます。「eArray」は、研究者が研究を進めるのに必要な道具を、先行投資としての設計料を払うことなしに無償で利用できるツールです。「eArray」には多くの重要な生物のゲノムが含まれているだけでなく、必要に応じて、ユーザのオリジナルの配列をアップロードすることもできます。この直観的で使いやすいウェブ上の設計ツールは当社のカスタムゲノミクス製品の中核となるもので、ユーザからも高い評価を得てきましたが、今回、この新しいSureSelect用としても利用できるようになりました。「eArray」を使えば、研究者が関心を持っているゲノム領域に関する知見を得るためのSureSelectプローブやマイクロアレイを無償で自由に設計することができます。

 また、今年末には、より小規模な実験用としてマイクロアレイを直接用いるタイプの製品を市場投入する計画です。ターゲット・エンリッチメントを行うすべての研究者に大規模(試料数:数百個)から小規模(試料数:数個)にまで対応できる包括的な製品群を提供する予定です。
 
  「Agilent SureSelect」は、ハーバード大学およびマサチューセッツ工科大学によって設立された米国ブロード研究所(Broad Institute)からライセンス供与を受けた手法を使用しています。

 「Agilent SureSelect」は、DNA自動電気泳動システム「Agilent 2100 バイオアナライザ」と組み合わせて利用することが推奨されています。このシステムを利用して、シーケンシング前に試料の品質を測定することで、時間や費用の削減につながります。

 「Agilent SureSelect Target Enrichment System」についての詳細は、以下のウェブサイトでご覧いただけます。
http://www.opengenomics.com/SureSelect

 当社のカスタムカスタムマイクロアレイ設計ツールである「eArray」には以下のウェブサイトからアクセスいただけます。
https://earray.chem.agilent.com

販売方針
*目標市場:
次世代シーケンサにより、疾患の遺伝学的解析やDNAメチル化等のエピジェネティクス解析を行う研究者向け
*販売価格(発表日時点での税込参考価格です): 10試料分 132万3000円から
*販売開始日: 2009年4月1日
*出荷開始予定日:
2009年5月


アジレント・テクノロジーについて

アジレント・テクノロジー(NYSE:A)は、コミュニケーション、エレクトロニクス、ライフサイエンス、化学分析市場における世界のプレミア・メジャメント・カンパニーであり、またテクノロジー・リーダーでもあります。19,000名の従業員を擁し、110カ国以上でビジネスを展開しています。アジレントは、2008年度、58億ドルの売上高を達成しました。アジレント・テクノロジーの情報は、以下のウェブサイトでご覧ください。
http://www.agilent.co.jp

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